流通型紫外光照射セル

流通型光照射セル

 光化学反応系で生成する短寿命なヒドロキシルラジカル、スーパーオキシドラジカルおよびアルコキシルラジカルをスピントラッピング試薬(DMPO)で補足し、流通型ESR装置で検出する際に使用します。

流通型光照射セルの利点は

  1. ESRキャビティー内での光照射では、光源から試料溶液までの距離が長く(20〜30 mm)、光照射の効率が低下しますが、流通型セルではファイバーから溶液の距離が数ミリなので、光源の光量が低下しません。
  2. 光照射時間が流路の体積と流速で一定に保たれます。ヒドロキシルラジカルあるいはスーパーオキシドラジカルの定量的な生成が実現します。一般的な流速(1.0 mL・s)の場合、照射時間は3秒以内です。
  3. ESRキャビティー内への光照射で生じるキャビティーの温度変動が抑制できます。

扁平型流通型光照射セル

KSL-FFUV-01

 2枚の石英ガラスとテフロンスペーサーで構成される間隙(約2 mm)に光ファイバーで紫外光あるいは可視光を照射します。流入口から反応溶液が間隙を通過する一定時間内に光化学反応で生じる短寿命ラジカルをスピントラッピング法で補足し、そのESR信号を下流の流通型ESR装置で観測します。フローインジェクションESRおよびHPLC-ESR装置に組み込まれています。

扁平型流通型光照射セルの外観
(青色は紫外光)
扁平型流通型光照射セルの外観
(青色は紫外光)

円筒型流通型光照射セル

KSL-CFUV-01

 光照射部分に石英ガラス製キャピラリー管を使用した流通型光照射セルです。光照射部分にキャピラリー管を使用するので、流路に気泡が滞留しません。光照射の効率は扁平型光照射セルに比べて僅かに低下しますが、気泡の滞留による光化学反応効率の低下を防ぐことができます。

 流通型ESR装置によるヒドロキシルラジカルおよびスーパーオキシドラジカルに対する抗酸化活性評価を連続的に行う場合、気泡が生じない円筒型流通型光照射セルは適しています。